Xバンド気象レーダ向け受信用超伝導フィルタの開発

摘要

我々はXバンド気象レーダの隣接チャンネル間干渉を低減するため、狭帯域かつ周波数調整可能な受信用超伝導フィルタを開発した。狭帯域かつ低挿入損失のフィルタを実現するためには、高い無負荷Q値を持つ共振器を用いる必要がある。このため1.5波長の結合マイクロストリップライン型共振器を採用することで、放射損失を抑制し高い無負荷Q値を実現している。開発した超伝導フィルタは、8段の擬似楕円関数型構成によって鋭いスカート特性を実現するとともに、誘電体ロッドを用いることで気象レーダの帯域内で周波数調整可能なフィルタとなっている。測定されたフィルタの周波数特性は、9700から9800MHzの間で中心周波数調整可能であり、通過帯域幅は8MHz、挿入損失はおよそ2.0dBである。