住宅用基礎に用いる組立鉄筋ユニットを配筋した鉄筋コンクリート造基礎梁に関する実験的研究

摘要

木造住宅及び鉄骨造建物の布基礎は，幅が120～150mmと狭いため，せん断補強筋（以下，補強筋）が断面の幅方向に対して1本のシングル配筋が多く用いられている。基礎の構造は，建築基準法に準じて施工されるが，補強筋端部と主筋の定着に関しては，告示第1347号において，「補強筋端部と主筋は緊結させること」と示されているだけで具体的な規定はない。近年では，補強筋端部に180°フックを設け主筋と定着する現場配筋に変わって，工場組立てにより施工性，品質管理に優れた補強筋端部と主筋をスポット溶接接合（写真1）した工法が普及してきている。しかし，組立鉄筋の構造性能は，溶接熱による主筋や補強筋への影響など不明確な部分があり，180°フックと同等以上の強度を有することを一つのよりどころとしている。