α-FEOOHさびの生成に対する添加金属イオンの影響－Cu（II），Ni（II）およびTi（IV）の単独および複合添加--

摘要

鉄鋼の耐候性向上元素であるCu（II），Ni（II）およびTi（IV）のα-FeOOHさび生成に対する影響を調べた結果，金属イオンと生成温度によって影響が異なることが分かった。 Cu（II）は300CでαFeOOHさびの結晶性を低下させ非晶質化するが，生成温度が高くなるとCu（II）による結晶性の低下は見られなかった。 これまで，Cu添加により緻密なさび層が形成されるのは，α-FeOOHさびが非晶質になるためと考えられていたが,それは常温付近に限られる。 しかし，常温付近でのα－FeOOHさび生成ヘの影響はCu（II）＞Ni（II）Ti（IV）の順で，Cu(II)が最も大きい。 　 複合添加では，各金属イオンの効果は平均化され，特な相乗または相殺効果は認められなかった．このこと、から,各金属イオンが他のイオンの影響をあまり受けることなく独立して働いているものと思われる。 このことは鉄鋼の耐候性向上元素の働きを考える上で役立つであう。