シリカ/無機塩系固体状態における分散安定性と成分組成の影響--シリカ／無機塩系およびチタニア/無機塩系における凝集·分相過程（第2報）

摘要

SiO_2/KBr混合物から多孔体を調製する場合，混合時のpHがシリカゾル中の粒子の分散安定性に影響し,結果的に多孔体構造形成に影響を及ぼすことがわかった。 また，SiO_2/KBr組成（体積分率）の孔径，孔体積への影響が大きく，F相観察から，孔厚みはシリカの体積分率に相関することがわかった。 さらに，SiO_2/KBr体積分率50％を境に相反転が起きていると考えられる。 　 以上のことから，ニれまでの一連の検討を通じて）シリカ／無機塩固体混合物の凝集分相によるナノポーラスシリカの設計は，簡便な方法ながらシリカ粒子の分散安定性や組成比，固体混合物の焼成条件等プロセス上制御可能な因子によって孔径（分布）を調節できることがわかった。 多孔体の孔径や孔径分布を任意に制御できる技術は，触媒や各種添加剤の担持体として用いる場合にそれらの分散性能を向上させ結果的に性能向上につながることが期待される。 本検討において作製された多孔体は粉体であるが，例えば多孔質シリカ薄膜他種々の形状への加工によって機能性材料としての有用性が期待される。 またシリカの他にアルミナやジタニア，ジルコニア等の金属酸化物あるいはこれらの組み合わせによる多孔体の作製についても，今回我々が検討した方法を有効に活用できることが期待される。