予すべりが生じた高カボルト摩擦接合継手のすべり耐力に関する実験的検討

摘要

鋼橋部材の接合方法には高カボルト接合と溶接接合が一般的に使われているが，架設時の現場接合では，工程や品質管理面で有利な高カボルト接合が採用されることが多い.しかし，平成8年の道路橋示方書［1］で最大板厚が100mmに拡大され，近年一般化されつつある少数主桁橋ではフランジが厚くなり，高カボルト継手が多列化するようになった.また，高カボルトの首下長さがメーカーの通常の製造範囲を超えるなど，高カボルト接合で継手を構成することが難しくなることもある.一方，溶接接合には架設工程が長期化する問題があるが，近年はライフサイクルコストが重視されるために防食面での優位性が評価され，景観性にも優れることなどから，溶接接合が採用される例も増えつつある.