京城帝大理工学部における「原爆製造計画」の検証

摘要

京城帝大は1924年に2年制予科が置かれ，1926年に法文学と医学部が，1941年に理工学部が開設された．植民地期朝鮮における唯一の大学として，その設立経緯と果たした役割に関しては，おもに日本の植民地政策史および教育史観点から考察されてきた．近年，植民地科学史との関連から理工学部について注目が集まるようになったが，その研究の嚆矢といえるのは，金根培のソウル大博士論文『日帝時期朝鮮人科学技術人力の成長について』である．