超臨界CO2に対する人工キャップロック試料のシール性能評価

摘要

近年，地球温暖化対策の1つのオプションとして，発電所等から排出される人為起源のCO2を回収して地下に注入する，CO2地中貯留技術が注目されている。このような地中貯留では，泥岩やシルト岩のような低浸透性のキャップロックによるCO2の地表への漏洩の防止が想定されている（例えばIPCC，2005）。これに関して，実際の岩相に応じた安全性やCO2注入時の上限圧力，さらには貯留ポテンシャルまでを評価するためには，CO2に対するキャップロックのシール性能を検討する必要がある。しかしながら，実験に長時間を要することとも関連して，これまでCO2について岩石のシール性能を測定した事例は限定されており，理論的な解釈もほとんどなされていない。