ガス化燃料用ガスタービン燃焼器の技術開発と様々な未利用資源の高効率利用

摘要

（財）電力中央研究所が開発した各種ガス化燃料用ガスタービン燃焼器の性能をTable3にまとめて示す。 本稿で概説した燃焼器技術は燃料中のNH_3に起因するフュエルNOx生成を最少限に抑制するとともに，その他の性能についても最新鋭のLNG焚き1500℃（1773K）級ガスタービン燃焼器と同等以上の性能を示している。 石炭は世界中に広く分布し,埋蔵量も石油や天然ガスに比べて豊富であり，長期的に安定供給が見込まれることから,石油ショック以降，一般電気事業者の電源構成に占める石炭火力発電の割合を高める方針が採られてきた。その結果,石炭火力発電は2004年度現在わが国の年間発電電力量の約24％を担っている。 しかしながら，徴粉炭ボイラを用いる汽力発電の送電端熱効率は41％を越えたところであり，これは最新鋭LNG焚きガスタービン複合発電に比較して10ポイントも低い。 さらに石炭はLNGに比べて単位発熱量当りのCO_2発生量が多く，硫黄分なども含まれることから，石炭ガス化複合発電での高温ガスタービンの適用による高効率化が期待されるところである。また，世界各国で，各種石炭をはじめ，オイルサンドやバイオマスなどの未利用燃料を対象に様々なガス化技術が開発されており，石炭ならびに未利用一次エネルギーを利用するガス化複合発電が次世代の火力発電の担い手として大いに期待される。