「太陽電池性能の評価技術」第2回：太陽電池性能の評価技術～II.電流電圧特性

摘要

前回に引き続き，太陽電池セルやモジュールの性能を評価するために必要な各種技術について，その基礎と最新の動向を解説する。 第二回の今回は，性能評価の中心的課題である電流電圧特性（IV特性）を，ソーラシミュレータを用いて屋内で正確に測定するために必要な各種要素技術について述べる．IV特性は，太陽電池の出力電圧と出力電流の関係を表すものであり，短絡電流I{sub}(sc)，開放電圧V{sub}(oc)，最大出力P{sub}(max)等を含む最も重要な性能である（図1）．また，直列抵抗R{sub}sや並列抵抗R{sub}(sh)もIV特性に反映される．IV特性測定に関しては，JISおよびIEC等の規格に規定がある．後の章でも一部は規格の内容と重複するので，必要に応じてこれらの規格を引用するが，規格を解説することが目的ではない．本稿では，それらを基礎として，新型太陽電池等の各種太陽電池の性能を高精度に評価する上で有用な，具体的技術とその最新動向を述べる．