脱エネルギー依存に向け産業多角化を目指す

摘要

2008年後半にぼっ発した世界経済危機と景気後退に伴う原油価格下落の影響で，09年の湾岸（GCC）諸国経済は縮小を余儀なくされている。IMF経済見通しから算出したGCC全体の09年実質GDP成長率の推計値は0.1％。前年の7.4％から大きく後退する見込みだ。とはいえ成長は国によってかなり差が出そうだ。例えばガス部門の対GDP比率が高く，その増産を計画するカタール。IMFは09年の成長率を18.0％と世界でも高い水準を見込む（表1）。一方，GCC内の2大産油国のサウジアラビアとアラブ首長国連邦（UAE）は，原油価格低迷などにより，ともにマイナス成長に落ち込みそうだ。さらに経常収支も赤字に転じる見通しだ。