ポストゲノム時代の幕開けと今後の動向

摘要

今年6月9～12日の4日間，カナダ·オンタリオ州のトロント市で，世界最大のバイオテクノロジー（以下バイオ）産業の国際会議「BIO 2002」が開催された。 今年は特に海外からの参加者が多く，オーストラリア，英国，ドイツ，シンガポール，中国などからを含め，約1万4,000人でにぎわった。 会議で発表された，米大手会計事務所アーンスト·アンド·ヤングのリポートによると，現在世界には約4,300社のバイオ企業があり（図り，約4兆3,000億円の総収入を挙げているという。バイオ分野でのグローバル化の進展が，参加者の国際化からもうかがえた。 しかし，こうした国際化の華やかさの一方で，昨年の「BIO 2001」とは打って変わり，会場にはある種厳しい雰囲気も漂っていた。