水素貯蔵システムの現状と課題

摘要

20014年12月には70MPaの高圧水素タンクを搭載した燃料電池自動車MIRAIが約700万円で市販された．タンク容量は122.4L（水素4.8kg），航続距離はガソリン自動車と同等の約700km（JC08），水素充填時間は3分程度である．一方でタンク容量はガソリン自動車に比べ大きく，コンパクト化が期待されている．NEDOロードマップ2010によると，燃料電池自動車を本格的に普及させるための目標値（2030年頃，NEDO）として7.5wt%，7.1kgH_2/100Lが設定されている．本稿では，著者らが1999年から行ってきた研究を中心に種々の水素貯蔵材料を紹介し，それらの将来展望について述べる．