ブラスト加工に関する研究－試験片温度がブラスト加工に及ぼす影響

摘要

表面処理のひとつであるブラスト加工は球状または砥粒状のブラスト材（金属やセラミックスなど）を圧縮空気などを用い，高速で材斜に吹き付けその表面を改質きせる加工技術であり，溶射の下地処理，バリヤスケールの除去，鋳造品の砂落とし，錆や塗装はがしを目的とし，グリットブラストとショットブラストに分類される．またその他にショットブラストと方法は同じではあるがピーニング効果を目的としたピーニング処理がある．これらの結果についてはすでに報告してきた通りである．しかしながら，それらの結果は試験片湿度が常温(293K)の場合である．現在の科学技術は目覚しいものがあり，特に最近では宇宙技術，超伝導技術あるいは海洋開発など，いずれも温度による加工への影響を無視できないと思われる．そこで，本研究では試験片温度を種々変化させて，ブラスト加工およびショットピーニングにより材料の表面除去処理およびピーニング処理を行った．除去処理においては，材料の除去量より得られる除去率を求めた．またピーニング処理においては，ピーニング効果の評価基準である，アークハイトを求めたのでその結果について吟味した．