対数線形化末梢血管粘弾性モデルに基づく交感神経活動の定量化と皮膚電気刺激に対する客観的疼痛評価への応用

摘要

本論文では，光電容積脈波に加えて血圧変動の非線形的な影響を考慮したモデルを導入し，交感神経活動に支配される血管力学特性の変化と疼痛を伴う皮膚電気刺激およびヒトが感じる主観的な疼痛強度の関係性を解析する．そして，末梢交感神経活動に相当する末梢血管剛性，疼痛評価に一般的に用いられる皮膚電気刺激（最大電流振幅，および主観的疼痛評価であるNRSの間に一定の関係が成立することを明らかにする．疼痛に対する血管力学特性の変化を明らかにすることができれば，血管力学特性の変化をリアルタイムに評価することで患者の疼痛度を推定することが可能となり，外科的治療中の鎮痛度をモニタリングできる可能性がある．