入力の連続性を考慮したゲインスケジュールドリファレンスガバナを用いたハードディスクのロングシーク制御

摘要

本研究では，RGを用いた制御について検討する．シーク時間を短くするために，最初に大きなオーバーシュートを許すようなゲインK_1を用いて早い立ち上がり·立ち下がりを行ない，目標位置に近接すると，オーバーシュートが殆どないようなゲインK_2へ切り換えるゲインネケジューリング制御を考える．共振項がない場合は，ゲインの切換によって入力が不連続になっても，それほど影響がないが，HDDでは，沢山の共振モードがあり，入力が不連続になるとこれらの共振モードを励振する危険性が大きい．さらに，HDDではたとえば，1万トラックのシークを行なう場合にも誤差が0.5トラック以内にならなければ意味がないので，これらの共振モードを励振しないようにする必要がある．以上のことから，本稿では，制御入力の連続性を考慮したゲインスケジュールドリファレンスガバナを用いた制御方法を提案する．そして提案法をHDDのロングシーク問題へ適用して有効性を確認する．