フィードバック変調器を用いた離散値入力制御系の設計

摘要

本論文の目的は，離散値入力システムの制御に，△∑変調器の動作原理を応用したフィードバック変調器を導入することを提案し，一つの簡単で実用的な設計法を与えることにある．これにより，切替速度の制約が厳しいアクチュエータを容易に取り扱え，コストの低下が期待できる．また，制御対象を連続値入力システムと見なして制御器を設計することが可能になり，制御系設計が容易になるという利点がある．本論文では，まず2章で制御対象となるシステムと制御仕様を明らかにし，フィードバック変調器の基礎特性について述べる．3章では制御系の一構造を提案し，限界制御性能について明らかにした後，切替速度を陽に考慮した設計指針を示し，一つの簡易設計法を与える．4章でシミュレーションにより提案手法の効果を，従来法(PWM)との比較を含めて確認する．