電線大手6社の決算に見る＜現状＞と＜これから＞

摘要

電線大手各社の平成21年3月期決算は、下半期よりの自動車を中心とした需要の急激な落ち込みにより、いまだ経験したことのない厳しい内容であった。電線業界大手6社の合計は、売上高において、平均で15％近い減収を強いられ、営業利益においても前年度は2,477億円であったが95％以上減の115億円まで落ち込んだ。経常損益では117億円の赤字となり、さらに当期純損益では、前期1,193億円の利益が、ほぼ同額の1,191億円の赤字を計上する事態となった。本業の電線においては、付加価値の高い情報通信ネットワークの落ち込みが売上高·利益両面で少なかったため、昭和電線を除き、営業赤字を回避できたが、メインとなる電線·ケーブル事業（情報通借を除く）は、苦戦を強いられた。