秋田県の生食用ブドゥにおけるつる割細菌病の発生

摘要

ブドウつる割細菌病は，植物病原細菌Xylophilus ampelinusによって引き起こされるブドウの細菌性病害 である.病原細菌はブドウ(Vitis vinばera)及び台木と して用いられるブドウ属植物のみを宿主とする（1;3; 14).葉.蔓，新梢，果実に発病し，葉では水浸状の小 斑点，葉柄，蔓及び新梢には黒色の条斑を生じる.果粒 にもかいようを生じ，感染した場合には商品価値を著し く低下させる.本病の分布は現在までにギリシア，フラ ンス，イタリア，モルドノ、'，スロベニア，スペイン，ト ルコ，南アフリカ，カナリア諸島となっている（3).病 原細菌は無病徴感染した苗木などで広がることから (11),我が国においても侵入が警戒されてきたが.2011 年に北海道の醸造用ブドウにおいて本病が国内で初めて 確認された（13).さらに2012年7月以降，秋田県内の 生食用ブドウにおいても，つる割細菌病に酷似した病徴 を示すもの力5—相次いで見つかったことから，このような 症状を呈した組織から細菌の分離を行い，既報のつる割 細菌病菌との異同を調査した.