ィチゴ葉縁退緑病を媒介する可能性のあるヒシゥン力と 北海道におけるその生活史

摘要

イチゴ葉縁退緑病力s発生している北海道の一地域において，イチゴ苗生産圃場近隣に生息するヒシゥン力の一部個体から，本病の病原微生物が検出された.検出個体率は1%程度と低率であつた力他の半翅目 昆虫からの検出が認められなかったことや，海外の発生地における本病の媒介昆虫に関する知見から，現 時点ではヒシゥンカが媒介昆虫の有力な候補と考えられた.ヒシゥンカ防除も含めた本病防除対策の構築 を目的に，イチゴ苗生産圃場やその周辺のヨシ群落などでヒシゥン力の生活史調査を実施した.その結果，幼虫が4-7月にかけて確認され，成虫は6月下旬-8月中旬まで確認された.卵は7月下旬以降ヨシ株元 の土壌や植物残渣などで認められ，8月中旬にふ化幼虫が出現し10月まで幼虫力s確認された.以上のこと から，本種はヨシを主要な寄主として年1化発生し，ヨシの根で幼虫越冬するものと考えられた.