マイコン内蔵テレビ信号処理LSIシリーズ

摘要

デジタルテレビ放送が登場する中で，従来のアナログ放送対応テレビに対する需要は世界的に依然大きなものがある。 このアナログテレビ市場において，各テレビメーカーは，コストダウンと性能向上の熾烈（しれつ）な競争を行っている。 このような状況に対し，三菱電機は，信号処理回路の1チップ化やその周辺部品の削減などで従来対応してきた。今回開発したLSIは，従来のテレビ信号処理のアナログ1チップ化から更に進んだLSIで，世界で初めて8ビットマイコンとテレビ信号処理をフルCMOS 1チップ化した。 開発に当たっては，従来の信号処理を単にアナログからデジタル化するだけでなく，デジタル Y/C分離フィルタなどの高画質技術も導入した。さらに，同期·偏向系に対しては，低電圧CMOSアナログ化しながらも，従来と同等以上の性能を実現した。 また，このLSIをベースに，より高画質·高機能のシリーズ品も開発した。 本稿では，このマイコンとの1チップ化におけるデジタル信号処理化及びCMOSアナログ化の実現と高画質化技術について述べるとともに，より高性能化を目指す今後の展開についても紹介する。