警備用遠隔画像監視システム

摘要

近年，犯罪の凶悪化·スピード化·広域化·多様化が犯罪の増加と検挙率の低下を招き，治安環境の悪化が社会的問題になりつつある。 このような社会不安を反映したセキュリティ意識の高まりから，より高度な警備サービスが求められている。 一方，通信インフラのブロードバンド化の進展や画像符号化·伝送·蓄積·検索·処理技術の進歩は目覚ましく，画像情報を用いた高品質な警備用遠隔画像監視システムの構築が現実のものとなってきている。 現在，警備会社や設備管理会社では，店舗·オフィス·工場·マンション·駐車場等，様々な監視先に対し，防犯·防災·設備異常等の警報情報を通信回線経由で監視センターでモニタし，異常が発生した場合は，警備員を監視先に急派する機械警備サービスが主体となっている。 しかしながら，今後，上記のような社会環境に対応していくためには，迅速，かつ的確に監視先の状況を把握し，更に質の高い警備サービスの提供と効率的な運用を実現するシステムの構築が急務となっている。本稿では，ALSOK綜合警備保障㈱と共同開発を行った警備用遠隔画像監視システムについて述べる。 このシステムは，ALSOK綜合警備保障㈱の警備ノウハウと三菱電機の豊富な実績で培われた遠隔画像監視技術が密に融合したものである。 今後も，このシステムをベースにより良いサービスに進化させていく予定である。