アルミナのき裂治癒挙動とき裂治癒材の強度特性

摘要

アルミナは，焼結性，硬さ，耐摩耗性および耐酸化性などに優れた材料であり，古くから様々な分野で利用されている．しかし，通常のアルミナの強度，破壊じん性値および強度に対する耐熱限界は，それぞれ約400MPa，約3－4MPam~(1/2)および約900℃であり，必ずしも充分でない．特に，破壊じん性値が低いために，欠陥感受性が高い．そのために，加工後にき裂が存在していると，信賴性が大幅に低下する懸念がある．したがって，き裂が存在しないように極少量ずつ加工する必用があり，加工?検査コストが高価である．以上のような理由により，アルミナの重要機器への応用は大きく出遅れている観がある．ところで，アルミナには，加熱処理による強度回復機能があることが古くから知られている．っまり，機械加工後に適当な温度域にある時間加熱することにより．強度を相当程度回復できることが知られている．この様な加熱処理による強度回復現象を．本論文ではき裂治癒と呼ぶことにする．