微小重力場におけるポンプ駆動二相流体ループの熱流動特性

摘要

沸騰二相流の熱流動特性に及ぼす重力の影響の解明を目的とし、パラポリックフライトによる微小重力環境において単一垂直円管を用いた強制流動沸騰実験を行った。（1）質量速度がきわめて低い場合（G＜60kがm~2s）には環状流域で二相強制対流が維持できず、低熱流束であっても環状液膜内で核沸騰を生じ、全乾き度域において核沸騰熱伝達が支配的であると考えられる。（2）既存データでみられた質量速度150kg/m~2s、乾き度およそ0.3における二相強制対流熱伝達の重力依存性に関して質量速度を60 kg/m~2s以下まで低下させても、より明確になるのではなく、核沸騰熱伝達支配となり、重力依存性は消失した。ただし伝熱管内面の核生成能力の違いによる核沸騰抑制条件と重力の影響が現れる条件との関係の詳細については今後の研究課題である。