微細気泡水の電気化学的特性の定量的評価及び応用実験との相関について

摘要

本研究においては、微細気泡が持つ特性について電気伝導度と誘電率の観点から評価し、その原理について考察を行った。また、応用利用としてダイズ発芽におけるラジオアイソトープの吸収について微細気泡の効果を検証した。電気化学的な特性としての効果としては、負に帯電する微細気泡の影響を電気伝導度の形で計測できていることを確認し、また水分子との相互作用をテラヘルツ帯の誘電率として計測することで、微細気泡が水分子の水素結合に影響も与えていることを示した。同様にダイズ発芽における応用試験では、帯電する微細気泡がアニオン·カチオンとして正負に存在する溶液中のイオンにも影響を与えることを示し、その応用利用の可能性について示している。今後の課題としては、誘電率については測定結果がまだ微小であるため、より高感度の測定システムを考案して精度を上げることを考えている。また、応用実験については、他イオンの取込や、吸収条件等を検討し、微細気泡のイオン吸収のメカニズム解明は、微細気泡水を農業分野で利用する際の課題である。