ァカアマダイ種苗におけるウィルス性神経壊死症の発生とその防除対策

摘要

水産総合研究センターで，2004年に種苗生産した ァカアマダイ稚魚の一部に死亡が発生した。ウィル ス学的および病理組織学的検査の結果，この死亡に ベータノダウィルスを原因とするウイルス性神経壊死 症（VNN)が関与していることが明らかとなった。これはァ力アマダィにおけるVNNの初めての辨告であ る。VNNの感染源を知るためPCR法を用いてウィル ス調査をおこなったところ，ァカアマダイ養成親や 飼育に用いる餌料生物からウィルス遺伝子は検出され ず，日本海沖合で延緙により漁獲された天然ァカアマ ダイから高率にウイルス遺伝子が検出された（m=265， 陽性率53.2%)。そこで，ウィルスの感染源はこれら の天然親魚であると推定し，本病の防除対策として， PCR法による親魚の選別ならびに電解処理海水による 受精卵の洗浄と仔稚魚の飼育を実施した結果，2005年 以降はVNNの発生はなく，また種苗からウィルスは検出されなかった。本対策はVNN防除に有効である。