Campylobacter食中毒における原因施設および原因食品の リスクランキング設定への疫学的アブロー チ

摘要

1982年，厚生労働省が Campylobacter jejuni/coliを食中毒 菌として指定し，本菌によるCampylobacter (以下Campy)食中毒は，発生件数が常に上位に位置し，また，近年，増加傾向を示している。このような状況下において，Campy 食中毒は，早急な対策が求められている。食品を媒介とする疾病を低減し，食品安全システムを強 化するための鍵となる手法が食品安全リスク分析であると 言われている。食品安全リスク分析は，リスク評価，リス ク管理およびリスクコミュニケーションの3要素で構成さ れている。わが国のampylobacterjejuni/coliに関するリスク評価で は，鶏肉を生食することによつて感染する率が家庭で2%， 飲食店では5.4%と推定されている。そのためリスク評 価に基づいた具体的な対策手法の開発と実用化，およびそ の効果の検証が求められている。