マアジの資源動向の実態と加入量予測: マアジの加入量予測手法に関する現状の整理

摘要

マアジ動曲げ、ざノ呼0乃加∫は，東アジアの暖海域に広く分布しており，我が国では干物などの総菜としていわし類やさば類とならび食卓にあがる頻度が高い魚であるが，その生活史の全体像を僻撤すると，いわし類やさば類と大きく異なる．我が国全休のマアジの漁獲傾向をみると，一本釣り，定置網，底曳き綱，旋綱等様々な漁法で漁獲されている．その漁獲量の大部分は東シナ海や日本海西部，豊後水道等で行われる旋網漁業による．年間漁獲量は，黒潮流域（太平洋側）で約4万トンであるのに対して，対馬暖流域（日本海、東シナ海）では約15万トンと圧倒的に多くなっている（西田ほか，2010；依田ほか，2010）．これは，マイワシやさば類など我が国周辺で多獲される浮魚類の漁獲や資源量が太平洋側では対馬暖流域に比べほぼ同様か多いこととは対照的である．羊のマアジの漁獲量（分布）の偏りは，本種が一般的には多獲性浮魚類の範疇に含まれてはいるが，むしろ底魚的な生態を有していることに起因すると考えられる．マアジは初期生活期には浮遊生活を送るが，ある程度成長すると主な生息域が底層（近底層）に移行する．