相模湾の定置網漁業の変遷－定置漁業研究会の50年を振り返って－

摘要

神奈川県における定置網漁業の変遷については，郷土史研究家の中野（1975）が西湘地域を中心とした相模湾における漁業の起こりから定置網漁業導入の経緯とそれをもたらした先人の功績について，大野（1999；2000）が定置漁業権の変遷，また既往の文献から歴史的な変遷（大野，2000）について述べている．また平元（1994；1997；1998）は定置の綱型について，その変遷を技術面から詳細な報告を行っている．ここでは，神奈川県定置漁業研究会の50年におよぶ活動から，その時々にどのような活動を展開し，その時代の定置網漁業が直面した課題にどう対処してきたかを研究会の活動内容を通して見た過去50年間の相模湾定置の変遷について報告する．