更新事業における歴史的農業用水利施設の検討について

摘要

両総農業水利事業は，利根川沿岸の湛水被害を解消する排水事業と慢性的な水不足に悩む九十九里沿岸地域へ用水の補給を行うために昭和18～40年にかけて事業が実施されました。 これらの施設は建設から40年以上が経過し、老朽化が顕著になってきています。 このため，平成5年から全体的な施設の更新と，用水送水の効率化のために一部施設を新設する事業を行っています。 　 本稿では，旧事業で建設された「公平水路橋」を改修するにあたり，その取り扱いについて歴史的価値評価や経済比較などを総合的な見地から行なった検討概要についてご紹介いたします。