機能性食品AHCCによるiNOS誘導の阻害(in vitro)肝細胞を用いた'肝保護効果'を持つ食品のスクリ 一二ング)

摘要

生体に存在する一酸化窒素(nitric oxide, NO)は 非常に反応性の高い遊離ラジカルガスであり，多くの 組織や臓器において，大切な生理活性（循環器系，神 経系，免疫系）に開与している.NOはアミノ酸のL-アルギニンを基質にして，一酸化窒素合成酵素 (nitric oxide synthase, NOS)より合成される.NOS には主に血管内皮や脳に常時発現している内皮型 NOS (eNOS)や神経型NOS (nNOS)と，病態時 に発現する誘導型NOS (iNOS)の3つのアイソザィ ムが存在する.正常時の肝臓において，eNOSは肝の 血流循環や機能維持に働いている.iNOSは正常時に は発現しておらず，様々な肝障害時（敗血症，出血性 ショック，虚血、 再灌流，肝炎，肝硬変）に，リポ多 糖や炎症性サイト力イン（interieukin (IL)-l/S,tumor necrosis factor- a ， interferon- 7など)の朿U 激を介して発現誘導される.iNOSから産生される NOはeNOSよりも遙かに多量であり，多くの場合肝 障害因子の1つと考えられる.