ゲル状嚥下訓練食の開発研究キサンタンガム水溶液ゲルの特異な性質①: ゲル状噥下訓練食の補助食品に向くゲル形成能をもつ多糖類を物理的手法による客観的な動的粘弾性測定で品質管理する

摘要

ゲル状嚥下訓練食の補助食品として用いる多糖類は、広範なpH範囲を有していること、また、 一定量の糖や塩の添加により溶解し、その易溶解 性は濃厚な粘度の水溶液でも変わらないこと、そ して室温から高温度までの温度範囲で容易に溶解 し、凍結,解凍を反復してもゲル形成能が変わら ないことなどが不可欠である。食品の多くは濁度を有しているため、多糖類が 完全に溶解しているかを物理的手法による機器測 定で確認することが品質管理上重要である。測定 は迅速にでき、簡便かつ再現性がよいことが必須 条件で、測定装置は廉価であることが求められる。金谷によれば、嚥下食とは、摂食'嚥下困難者 に供する、物性や食形態を重視した食事の総称で ある。嚥下困難の程度は一人ひとり異なるが、嚥 下食は、均質な物性の嚥下訓練食、不均質性の移 行食を含め5段階に分類できると記述している。