曰本における輸入差止め事例の解析 並びに輸入差止め軽減のためのUNIDOの途上国支援

摘要

モノやサービスのグローバル化に伴い、今日で は、流通、供給システムが飛躍的に整備され、季 節を問わず、欧州産のチーズから熱帯産のフルー ッに至るまで、さまざまな食品を享受することが できる。食品の生産、加工、販売プロセスは国境 を越えて行われ、スーパーに陳列された食品を見 れば、さまざまな原産地から輸入されていることが分かる。一方、日本では過去数年の間に、BSE (牛海綿状脳症)の発生によって米国およびカナ ダ産牛肉の輸入が一時停止されたり、中国産冷凍 ギヨ一ザに農薬混入が発見されるなど、輸入食品 の安全性に対する関心が非常に高まっている。こ れは、食品の流通が自由化、活発化している反面、 輸入された食品が一定の品質基準を満たしている か監視の目を光らせなければならないことも意味 しており、日本を含む先進国市場では、他国から の輸入食品に対する監視システムが強化される傾 向にある。生産者、輸出業者の側においては、仕 向け先国の規制、基準を満たすことができるよう に製品の品質を向上していく努力が必要となる。