養液土耕（Fertigation）に関する海外の動向

摘要

最近日本でも養液土耕への関心は高まりつつあり、県農試を中心に研究が進められている。 その背景には、環境問題がある。 海外では、いち早く農業が環境に与える影響への関心が高まり、対策のひとつとして養液土耕が発達してきた。 今回紹介する研究は、養液土耕に関して1997年10月にバレンシアで開かれた会議の要約である。 この会議は、ENVEG （Environmental problems associated with nitrogen fertilization of field grown vegetable crops：産地野菜の窒素施用に伴う環境汚染問題に関する会議）の発展形としてもたれた会議であり、窒素による環境汚染を中心に取り扱っている。 近年までヨーロッパの養液土耕が到達した地点が明確にされており、今後の展開の可能性などについても示されている。 後発の日本としても大いに参考になる知見があると考えここに紹介する。