低段、多段組合せ栽培による トマトの日本型周年多収生産技術

摘要

スーパーホルトプロジェクト（SHP)では、 施設養液トマト栽培において低段密植栽培か 長期多段どり栽培（=多段栽培）のいずれか で、10a当たり年間総収量501を可能とする 栽培技術体系の構築に取り組んでいる。この うち低段密植栽培は、夏期に高温多湿となる 我が国の気候に適した独自の栽培システムで はあるが、実用規模の施設での作業管理体系 等が未解決である点と、生育速度が低下する冬春期には非収穫期間が相対的に長くなり、 十分な収量が確保できないという問題点が残 されていた。一方の多段栽培は、夏期収量は ほとんど見込めないものの冬春期には多収と なることから、低段密植栽培とうまく組み合 わせれば、周年安定多収が達成できるものと 予測された（図一1)。