染色体工学技術を利用した分裂酵母の 有用物質生産システムの構築

摘要

分裂酵母は高等動物の遺伝子機能をよく相補し，特に ヒト由来のタンパク質生産に利用することができる有用 な異種タンパク質生産宿主の一つである.安価な培地で 生育速度が速く，高密度培養が可能な分裂酵母ではある が，より効率的に異種タンパク質を生産するために，分子生物学的手法を用いた分裂酵母高生産宿主のさらなる 開発が必要である.そこで筆者らは，異種タンパク質生 産に不要な分裂酵母染色体領域を削除することで，より 高い生産性を有する分裂酵母への改良を試みた.