四国三郎牛を牽引する一貫農家-徳島県吉野川市北谷牧場一

摘要

前稿では四国三郎牛生産者組合の皆さんから一貫経 営に関する経験談を伺つたが、ここからは同組合の組合長である北谷昌也氏（34歳）が代表を務める北谷牧 場における一貫経営への取り組みについて紹介する (写真1)。北谷牧場が和牛繁殖を始めたのは今から7年ほど前 で、今後の酪農家の減少などを考え、北谷氏の父忠義 氏が一貫経営への転向に舵を切ったという。ではどの ようにして和牛繁殖をスタートさせたのだろうカゝ。牧 場概要に受卵用ジャージ 一F1が30頭とある力';、もとも とは雌のジャージーF1を肥育していた北谷牧場。そこ で、これに受精卵を移植して和牛の繁殖雌牛を増やし ていこうと試みた。この時、以前から知り合いだった 吉野川市の繁殖農家、松平哲幸氏（本誌平成26年12月 号72頁参照）から受精卵を提供してもらうこととなつた。その中には茂晴花、晴国花を輩出した「みついく」 系や谷福土井を輩出した「きくつる」系など美方郡の名 血が含まれており、これらの受精卵から生まれた雌を 保留しながら和牛の一貫経営へと転換を図っていった。