白米アミロース含有率の推定による白濁が少ない 低アミロース米生産のための栽培適地, 適作期の推定法

摘要

東北地域の低アミロース米生産において，DVR法による生育予測モデルに基づく白米アミロース含: 定法を用いて，玄米の顕著な白濁が少ない栽培適地, 適作期を推定する方法について検討した.3県での作: 験の結果から，低アミロース米品種の白米アミロース含有率は，移植，直播栽培を通して，品種毎に登熟気 に高い負の相関関係が見られ，「スノーパール」と「たきたて」では，ほぼ同じ回帰式が，「里のゆき」では回 絶対値力5小さい回帰式が得られた.全品種込みで白米アミロース含有率が10%を下回ると玄米の顕著な白: たことから，顕著な白濁の少ない低アミロース米の白米アミロース含有率の目標値を10-15%とした.作; 験における日平均気温と出穂期データに基づき，品種毎にDVR法による出穂予測モテ:ルを作成した.出穂' ルと，登熟気温に対する白米アミ口一ス含有率の回帰式により，移植，直播日から白米アミロース1 RMSE 0.81-1. 67%の精度で推定することができた.この白米アミロース含有率推定法により，低アミ において顕著な白濁が少ない玄米を生産するための，平年の気象条件における栽培適地や適作期を推定する きた.さらに，玄米の白濁が生じやすい品種では，移植栽培と直播栽培との適切な組み合わせにより栽培適 期を拡大できることが示唆された.