日本のヤマノイモから検出されるPotyvirus

摘要

日本のヤマノイモに感染するPotyviruとしてはヤマノイモモザイクウイルスが報告されている．本ウイルスはその癖徴及び粒子形態から海外のyam)に発生しているYam mosaic virus (YMV)と同一種と結論づけられていた叫しかしながら近年，日本のジネソジョから分離されたpotyvirusの塩基配列に基づく分子分類の結果，本ウイルスがYMVとほ別種であることが明らかとなり，本ウイルスの英名をJapanese yam mosaic virus（JYMV）とすることが提唱された．さらにReverse Transcription－Polymerase Chain Reaction（RT－PCR）検定によってモザイク症状を呈した3種のヤマノイモ［Dioscorea japonica （ジネソジョ），D. opposita("やまといも" “つくねいも”，"いちょういも”), D. alata（ダイジョ）］に感染しているウイルスがJYMVであることが明らかにされた3）．一方，海外のD. alataにモザイク症状を引き起こすウイルス（Yamm ild mosaic virus：YMMV）が，YMV，JYMVとは別種であることが，その諸性質7），RT．PCR検定および塩基配列に基づく分子分類から明らかとなった．