L-メチォニンはトマト植物に対して萎凋病抵抗性を誘導する

摘要

生体に必須な含硫ァミノ酸の一種であるレメチォニンがもたらす蹄導抵抗性による，トマト委凋病(Fusarium oxyspoumf. sp. lycopersici: FOL)に対する抑制効果を調査した.FOL の生育に影響が認められない濃度（lOOng/ml)でレメチォ 二ン溶液をトマト葉に噴霧処理し，2日後に1x106 bud cell/ml のFOL懸濁液に1時間浸潰することで接種を行つた.接種 後の植物体を新たな土壌に植え替え，接種4週間後に発病 度を評価した結果，レメチォニン処理区において萎凋症状 が抑制されることが確認された.また，接種0, 48時間後 のトマト根における遺伝子の発現を解析した結果，FOL 接種によって誘導されるP ぶ遺伝子の発現がレメチォニン 処理によって増強されることが確認された.以上の結果か ら，レメチォニンはトマトにプライミング誘導効果を付与 し，FOLの感染時に遺伝子発現を増強することで本病 に対して抑制効果を発揮する可能性が示唆された.