濃厚飼料多給与条件下の去勢牛における第一胃刺激用具の投与が岨囁行動，第一胃収縮運動，第一胃鱒過速度および第一胃内容液性状に及ぼす影響

摘要

圧ペン大麦主体の濃厚飼料を多量に給与した去勢牛において，第一胃刺激用具（RF）の投与が採食と反賓時間，第一胃収縮運動，液相部と国相部の第一胃通過速度および第一胃内容液性状に及ぼす影響について検討した．供試動物は第一胃フィステル装着ホルスタイン種去勢雄牛3頭（平均体重519kg），給与飼料はチモシー乾草，圧ペン大麦および大豆柏を用いた．給与飼料における粗飼料の割合を，乾物換算で10％とした．給与量は，維持を満たす代謝エネルギー量の2倍とした．RFは1頭あたリ3個，第一胃フィステルを通して投与した．結果は以下の通リであった．RFを投与すると，乾物摂取量あたりの反窮時間は有意に長くなった（P＜0．05）．第一胃収縮運動の頻度は，対照処理て1，463回／日，RF投与処理て1，968回／日てあり，RFの投与によって増加する傾向があった（P＜0．10）．液相部の第一胃通過速度定数は，RFを投与すると有意に増加した（P＜0．05）．第一胃内容液のPH，揮発性脂肪酸濃度およびその組成は，RFを投与しても，ほとんど影響を受けなかった．これらの結果から，RFの投与によって反窮時間が長くなった原因は，第一胃収縮運動の促進が有力てあると考えられた．また，液相部の第一胃通過速度は，反窮時間が長くなったことて分泌が促進したと思われる唾液の影響を受けたと考えられた．