乳牛における乳生産形質と疾患遺伝子との関連性

摘要

ホルス夕ィン種の遺伝性疾患である牛複合脊椎形成不全症(Complex Vertebral Malformation ： CVM)および牛白血球粘着不全症（Bovine Leukocyte Adhesion Deficiency ： BLAD)の遺伝子型情報と乳 生産形質との関連性の有無について一般線形モデノレを用いてSASのGLMプロシジャにて分析した.そ の結果，乳量を除く分析したすべての形質において，CVMのキャリアの方力ぐ正常個体よりも有意に高い 平均値を示した.このことからCVM遺伝子もしくはその近傍遺伝子が乳生産形質に対して好ましい効 果を持っていることカヾ示唆され，このことがこれらの疾患遺伝子が完全に除去されていなし、一因となつ ていることが考えられる.また，疾患遺伝子型の未検査種雄牛が多数存在することが判明したが，経済 形質の責任遺伝子損失の抑制および疾患遺伝子のコン卜ロールの点から，疾患遺伝子の検査の徹底化が 望まれる.