アーバスキュラー菌根の形成が宿主植物のアンモニア態窒素吸収能に及ぼす影響

摘要

ァーバスキュラー菌根の形成がマリーゴールドのアンモニア態N吸収能に及ぼす影響を検討した．また菌根形成下と非形成下において植物体P、N含有率がアンモニア態N吸収能に及ぼす影響を検討した．実験ほ菌根菌接種の有無（接種菌：Glomus etunicatum）と培土の可給態P量および施肥養分量が異なる5つの試験区を設けて行った．アソモニア態Nの吸収は［~(15)N］硫酸アンモニウムを栽培29日後に添加し，比アンモニア態N吸収速度（SAR－AN：g N kg~(-1)root d~(-1)）を測定することによって評価した．その結果，以下のことが明らかになった．1）菌根形成は低P、N施肥条件下で植物体のP含有率を高めた．このとき，植物体のN含有率ほ低下した．2）菌根形成によって植物体P含有率が増大した場合，SAR－ANほ低下した．また，SAR－ANは植物体P含有率と乾物垂の低下および植物体N含有率の増加伴って増加した．3）アン、モニア態Nの植物内での移行に及ばす影響を検討した結果，菌根形成によって茎葉部に移行する15N量が減少することが認められた．