国頭マージ土壌におけるソバ湿害発生と 畝立て栽培の導入による湿害回避効果

摘要

ソノく (Fagopyrum esculentumMoench)は畑作物の屮でも極めて省力的な栽培が可能な作物であり，また地 域特産作物として地域の経済活動を支える重要な作物であ る.沖繙県においては従来，ソバの栽培は行われていなかつ た.しかしながら温暖な気候を活かして国内では最も早く 収穫できる可能性があることから，沖繙県でのソバ栽培が 試みられている（吉永ら，2009 ；原，2011；原ら，2011).沖網本島北部の大宜味村では耕作放棄地対策事業の一環 としてソバを導入し，新たな村の特産作物として栽培を拡 大する施策が進められている.2011年の作付面積は29ha と増加したが，面積拡大に伴いソバの生育不良が問題とな る圃場が散見されるようになった.ソバは気候適地が広く ， 幅広い土性，土質下でも栽培できるが，湿害には極めて弱 い（林，1997).このため全国的に，水田転換畑など湿害 が発生し易い圃場においては湿害を冋避する栽培技術が利 用されている.たとえば,耕うん同時畝立て播種技術(細川， 2011；土屋ら，2010)があり，この技術では，トラクタ の進行方向と同じ方向にl。J転するダウン力ット（正転）ロー タリではなく ，逆回転のァップカット（逆転）ロータリを 用い，湿潤な重粘土における砕土率を向上させる工夫がな されている.また，爪の方向を従来の方向から変更して一工程で耕うんと平卨畝を作成可能な構造となっている.