有機質肥料施用による水稲の前長と充実花粉数の拡大効果

摘要

近年の北日本の夏期の天候をみると1970年代後半以降年々の変動が大きくなり，周期的に冷夏と暑夏が出現する傾向が認められている．中でも1993年は東北地方における水稲の平均収量3．04 Mg ha~(-1)，作況指数56と近年例のない水準まで著しく低下する大冷害となり，宮城県においても水稲作況指数37，被害額で1，281億円に達する記録的な被害となった．次いで2003年にも東北地方の作況指数80，宮城県で作況指数69，被害額400億円を記録する著しい冷害に見舞われている．変動が大きい気象条件下で品質、量ともに安定した米を供給するためには，近年問題となっている高温による品質低下対策と合わせて，冷害に対する対策を並行して行っていくことが不可欠である．