光利用技術を活用した異体類の 効率的種苗生産技術

摘要

これまでの種苗生産は，主に作業効率や管理の容易さ などが重視された一元的な飼育環境で，ふ化-稚魚期ま での飼育管理が行われてきた。多くの魚種で生じる初期 減耗，形態異常等の問題は，一元的な飼育環境が対象種 の最適な環境とずれていることが要因と考えられる。そこで沖合から極沿岸域の様々な環境に生息し，発達に伴 つて生態特性が大きく変化する異体類を問題解決のモデ ルとして取り上げ，特に生息水深により大きく変化する 光環境条件（光強度，波長）に焦点を絞り検討した。さ らに北日本の重要な増殖対象種のホシガレイについては，試験により得られた好適光条件を元に，実証規模で の種苗生産試験に取り組み，特に光周期が初期減耗と形 態異常に及ぼす影響を検討した。