腺疫集団発生事例における腺疫特異的血清診断法の 応用ならびに分離腺疫菌株の遺伝学的解析

摘要

100頭規模の馬を飼養可能な牧場において発生した腺疫を清浄ィヒすることを目的に，腺疫特異的血清診断法を応用す るとともに，分離腺疫菌株の遺伝学的解析を行った.第1回全頭検査では91頭中17頭がPCR陽1'生，7頭が腺疫菌分離 陽性であった.しかし，約1力月間隔で実施した第2回以降の全頭検査では，PCRおよび腺疫菌分離陽性頭数がそれぞ れ漸減し，第4-6回全頭検査において，連続3回の腺疫菌分離陰性力s確認された.このことから，当該事例は清浄化 されたものと判断した.また，分離された腺疫菌株からは2種類のwAT遺伝子型力《特定された.本事例では，鼻腔粘膜 からの細菌検索に加えて腺疫特異的血清診断法を応用した結果，検査時点での腺疫罹患馬，腺疫非罹患馬および腺疫快 復馬を明確に区別することができ，腺疫の清浄化を効率的に進めることが可能であつた.