培養神経幹細胞の増殖能および多分化能に対するメラトニンの効果

摘要

一過性脳虚血による遅発性神経細胞死は、松果体ホルモンであるメラトニンの高濃度投与により改善されることが報告されている。しかし、そのメカニズムは明らかにされていない。一方、神経幹細胞は自己複製能とニューロンやグリア細胞へ変化する多分化能を有する未分化な細胞であり、発達期だけでなく成熟した哺乳類の脳にも存在することが明らかになっている。 この神経幹細胞は虚血病態時に活性化され、ニューロンを新生していることが報告されている。そこで我々は神経幹細胞の増殖能やニューロンやアストログリア細胞への分化能に対するメラトニンの効果を血血にて検討した。