ディスポーサブル吸引器によるブタ卵胞液、卵子採取法の検討

摘要

本研究では、卵胞液吸引器、卵子吸引装置を作成し、ブタ卵胞液、ブタ卵子の効率的採取法について検討した。 作製した卵胞液吸引器を用いることにより、ブタ卵巣からの10分間の卵胞液採取量は、吸引圧100－200mmHgで、注射器を用いた従来の方法に比較し、1．4倍の効率化が図られ、卵胞液採取の時間と労力が軽減されることが示唆された。 卵子の培養成績からも、採取方法による卵胞液の有効性に違いが認められなかった。 また、卵胞液吸引器に吸引庄計、チャンバーを設けた卵子吸引装置で、吸引任80－40mmHgで注射器による従来法と比較し1．35倍の効率化が図られ、手間と労力が軽減されることが確認された。 採取されたCOCsは、成熟率、胚盤胞発生率共に従来法と有意な差は認められなかった。 以上の成績から、作製された卵胞液吸引器はブタ卵胞液を効率的に回収でき、培養液成分としての効果にも影響ないことが確認された。 また、ブタ卵子回収についても性状に影響を与えず効率的に回収でき、作業者の時間と労力を軽減することが示唆された。