自然環境からの刺激に曝露された小児の発育リズムに関する研究－「はだか保育園」園児の身長、体重増加の季節変動の特徴-

摘要

山梨県において寒冷や暑熱などの環境温度刺激に曝露されている「はだか保育園」園児589名のうち，36ヶ月以上の発育値を持ち，2ヶ月にわたる欠損値を持たない園児284名の1ヶ月毎の身長と体重の倍を時系列解析（センサス局方：SAS）を用いて分析した．対照群として，着衣保育を行っている同地域の保育園を用いた．結果は以下の通りである．1．「はだか保育園」園児の身長は，4月から9月にかけて増加し，10月から3月にかけて停滞する．2．「はだか保育園」園児の体重は9月から4月にかけて増加し，春～夏季に停滞する．3．同地域で着衣保育をおこなっているB保育園園児と比較すると，体重に有意な季節変動を持つ園児の割合が低く，季節変動幅が小さいことが明らかになった．これらの結果から「はだか保育園」園児は，自然環境からの温度刺激に好して適応能を獲得する中で，発育の季節変動が顕著でなくなるものと考えられた.