過剰排卵処理した黒毛和種から得られた胚の性と交配種雄牛との関係

摘要

22頭の黒毛和種延べ38回に亘り、FSH-PGA減量投与法により過剰排卵処理し、発情時から12時間毎に3回人工授帝を行い、7日後に胚を採取した。使用した精液の種雄牛はN、U、Yの3頭であり、それぞれN12頭15回、U12頭14回、Y7頭9回採卵した。総計282個の後期桑実胚以降の移植可能胚の性をXYセレクターおよびプライマーを用い、PCR法を用いて調べた左その结果、性の制明した総計281個の内、雄胚が150個、雌胚が132個であり、雄胚率（雄胚／雄胚と雌藤）は53．2％となり、性に偏りはみられなかった。 種雄牛別ではYが雄胚29個、雌胚41個、雄胚率41．4％、Nが堆胚61個、雌胚40個、雄胚率60．4、Uが雄胚60個、雌胚51個、雄胚率54．5％となり、YがNに雌べ雄胚率が有意に低くなった（p＜0.05）。 さらに、供胚年毎の成绩でも、1頭当たりの雄胚率の平均と標準偏差はY、N及びロがそれぞれ34.2±16．5％、56．4±24.6％及び52．3±21．6％となり、YはNとUより低かった(N：P＜0．05、U：P＝0.055）。 発育ズージをみると、初期胚盤胞期胚及び後期桑実胚期の雄胚率ではUはNより低くならた（初期胚盤胞期Y：55．6％、N：77．3％、後期桑実期胚Y：30．0％、N：55．3％；P＜0．05）。 品質等級をみると、EXCELLENで等級ではYはUとNより（Y：42．1％、N：76．7％及びU：71．4％；P＜0．05）、POOR等級ではYがUより低かった（Y：8．3％、U：52．4％；P＜0．05）。 以上のことから、人工扱精後7日日に採取された黒毛和種の体内発生胚では、種雄牛間で雄胚と雌胚の比率が異なることが明らかとなった。